人ノ交流ヲ支エル

海をきれいにする SUPPORT PUBLIC WELFARE

海上交通や美観を守るため毎日続く地道な作業STEADY DAILY WORK TO PROTECT MARINE TRAFFIC AND AESTHETICS

多くの船が航海する海上交通の要衝

年間数多くもの船舶が行き来する博多湾。さらに湾を取り囲むように広がる漁港から毎日多くの船が出漁します。海上交通の要衝となっているこの海で、航路の安全を保つことは非常に重要です。

この博多湾に注ぐ河川の多くは、途中で福岡市街地を経由するため川の流れに乗って上流から様々なものが流れ込みます。特に問題となるのは人間が出すゴミ、そして流木です。

例年、台風シーズンになるとこれらが風雨に流され河川に到達します。それがそのまま川に乗って博多湾に流入するのです。特に梅雨期には激しい雨で川にたくさんのものが流れ込みます。

かもめ

様々なものが流れ込む博多湾

このように海へと流れついた流木は船の航行にとって大きな危険をもたらします。大きさは数メートルに達するものも見られ、船舶に衝突すると大きな被害が予想されます。

もちろん、流木以外のゴミの回収も欠かせません。ペットボトルや発泡スチロールなどはもちろん、タイヤや冷蔵庫など大型のものまで、その種類は様々です。浜に打ち上げられたプラスチックや発泡スチロール。その姿は大きく美観を損ねるとともに、動物が誤って食べてしまうなどの問題もあり早期の回収が望まれます。しかも、これらのゴミや流木は人手による回収を行うしか取り除く術はありません。

第二かもめ

“かもめ”“第二かもめ”の活躍

博多湾環境整備では福岡市より委託を受け、“かもめ”“第二かもめ”の二隻を運航、博多湾で流木やゴミなどの回収にあたっています。

“かもめ”“第二かもめ”は海上のゴミなどを回収するために設計された双胴船で、左右の船体の間にゴミを回収するバスケットを装備しています。海上に漂流するゴミを回収するにはその方向に船体を向け操船し、中央のバスケットに取り込むようにゴミを回収します。しかし、流木のような大きな漂流物の場合はひとつひとつ人手やクレーンでの回収を行っています。

その他にも、船舶の衝突や火災、沈没などにより海面に油が流失し海洋を汚染することもあります。そのような時には2隻の船が協力し、油が拡散するのを防ぐためにオイルフェンスを設置したり、吸着マットを使用して油を海面から取り除きます。


休むことなく続く海の安全を守る活動

このようにして回収するゴミや流木は毎日3トン以上。海上清掃は博多湾全海域で行っており、運航期間は1年間のほとんどにあたる360日。多くの船舶が毎日航行する博多湾では常に海の安全を守り続ける必要があるのです。

波が立ち、なだらかと言えない海上で常に漂流している小さなゴミや、水分を含み重さを増している流木を見つけることは容易ではありません。熟練と忍耐が必要な作業です。しかし、絶え間ない博多湾の海上交通を守り美しい環境を保つため、私たちは毎日働き続けているのです。